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本紹介『聖の青春』 §262

九鬼トシユキです。

今回は久しぶりの本紹介。

大崎善生『聖の青春』(角川文庫)

今年は将棋の話題が盛り上がりました。
さて、
村山聖というプロ棋士をご存じでしょうか?

村山聖さんは羽生善治さんと同世代の棋士、
「東の羽生 西の村山」
と称されるほど物凄く強い棋士でした。

『聖の青春』は、
その村山聖さんを描いたノンフィクション小説です。

この本を知る少し前、
病を抱えながら強い棋士がいたことを知りました。
その時は残念ながら名前までは覚えられず、
『聖の青春』の存在を知ってから、
病を抱えた棋士=村山聖さんと認識しました。

村山聖さんは幼い頃、
ネフローゼ症候群という腎臓の病を発症し、
その病を抱えながらの棋士生活を送ります。

実は、
棋士は将棋を指すだけで、
ものすごく体力を使っています。
脳の消費するエネルギーが凄まじく、
将棋を指すだけで体重が減るようです。

少し疲れると体調が悪化してしまい、
倒れてしまう村山聖さんの棋士生活はまるで、
将棋を指す行為が自ら命を縮める行為でもあるかのようです。
それでも村山さんの将棋は恐ろしく強いんですから、
読んでいて胸が熱くなります。

1998年8月8日、
村山聖さんは膀胱癌で亡くなりました。
29歳。

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本紹介『銀行王 安田善次郎』 §219

九鬼トシユキです。
安田善次郎。

本を読むまで全くその名を知らず、
読み進めていくうちに、
実は栃木県と深い関係があったことを知りました。
安田商店を営んでいた両替商の善次郎は、
明治時代のはじめに栃木県の為替方となります。
為替方というのは、栃木県の税金を管理して明治政府に送る役目でしょうか。
栃木県の為替方となった善次郎は、
安田商店の支店を栃木市と宇都宮市に設けます。
安田商店の最初の支店となったのがその2店のようです。
また善次郎は、
両毛線と水戸線の設立にも関与しています。
鹿沼市には帝国繊維の工場がありますが、
その前身である下野麻紡織にも善次郎が関与しています。
栃木県と関わりが深い善次郎。
なぜ今まで知らなかったのか…
私の不勉強もありますが…
善次郎は、金持ちのケチと人々から見られ、悪い評判のまま(誤解を受けたまま)歴史に埋もれてしまったようです。
実際には、「陰徳を積む」ことを常日頃から実践していた人物です。
良いことをしても人に言わず自慢せずです。
お金に関しても私的な贅沢を慎み、会社のお金に関しても厳しい人です。
事業の援助要請があればしっかりとその事業をまず調べ、大丈夫ならば惜しみなく金を出し、おかしい点があれば金は出さない。
善次郎と接した人ならば、善次郎のそういう面が分かったかと思いますが、接したことがない人からすれば、善次郎は金持ちです。
超がつくほどの大金持ちです。
人は良いことは目につきにくく、目についてもすぐに忘れてしまう。
一方の悪いことはすぐ目につきやすいし、それが誤解だとしても、なかなか忘れずに残り続けてしまうのかもしれません。
善次郎は誤解されたまま人々の記憶に残り続けてしまった。
それが、ようやく見直される時期に来たようです。
私も歴史を学ぶ者の1人。
特に感じ入るのは、歴史における先入観は物事を見えにくくする厚い壁ですね・・・
善次郎の足跡は今でも見られます。
保険会社「明治安田生命」、東京大学「安田講堂」の「安田」は善次郎の安田です。
「みずほ銀行」もそうです。
善次郎の安田商店は安田銀行となり、安田銀行が富士銀行に。
その富士銀行は第一勧業銀行、日本興業銀行との合併によってみずほ銀行となっています。
安田善次郎の子孫もよく知られた人物。
ビートルズのジョン・レノンの妻、オノ・ヨーコは善次郎の曾孫です。
今日もありがとうございます。
☆フォーチュン九鬼☆
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