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『タテ社会の人間関係』(本紹介) §206

九鬼トシユキです。
今回は本紹介。
中根千枝『タテ社会の人間関係』講談社現代新書

日本社会における、
日本人の対人感覚を、
見事に考察し、
そんな感覚は特に意識したことないが…
言われてみれば確かにその感覚を持っている!
と、
我々日本人が持っている主観的な感覚を、
本書を通して客観的に見つめることができます。

まず、
タイトルにある通り、
日本人の対人関係はタテ社会です。
人間関係を構成するものとして、
「場」と「資格」があり、
場がタテ関係を生み、
資格がヨコ関係へと展開していきます。
場は、
会社とか家族親族など、
人が属するものです。
一方の資格は、
同じ肩書きを持つ人です。
場の内部である人同士、
例えば会社内部でも同じ社員同士は、
同じ肩書きなのでヨコ関係になります。
ところがです。
日本人の特徴として、
仕事ができるできない、勤務年数云々など、
上下関係を自然と意識してしまいますので、
場の内部でタテ関係が生まれます。
また、
日本人は所属意識が強い傾向にあります。
そのために、
同じ場であれば、
「うちのもの」となり、
その人間関係は非常に強い!
同じ場に属する「うちのもの」に対して、
他の場に属する人は「そとのもの」になるために、
場と場の交流が生まれづらい。

本書は、
1967年に出版されたものです。
当時と今とでは、
身の回りのものや生活スタイルが変化していますが、
変わらない部分もあります。
対人感覚でいうと、
このタテ関係が変わらない部分で、
昔から変わらず日本人が持っているものです。
どんなものでも一長一短あるので、
場面場面によっては弊害になってしまう点もあります。
それでも、
日本人が持っている感覚を、
客観的に見つめてみると、
それぞれ学ぶ点は大いにあるでしょう。
今日もありがとうございます!
☆フォーチュン九鬼☆
「栃木の城+α」
管理人:九鬼トシユキ
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