本紹介(『雪の花』) §280

九鬼トシユキです。

今回は本紹介。
吉村昭『雪の花』

かつて天然痘は、
非常に高い感染率と高い致死率で、
多くの人を悩ませていました。

江戸時代後期、
天然痘を防げる「種痘」の存在が、
西洋から日本に伝えられます。

種痘というのは、
いわゆるワクチンですね!

福井藩の医師笠原良策は、
なんとかして種痘を手に入れ、
藩内で猛威をふるう天然痘を撲滅しようと駆け回ります。

この種痘というのは、
牛がかかった天然痘(牛痘)が元となっていて、
牛痘を人に接種すると、
天然痘の抗体が作られて天然痘にかからなくなります。

そして牛痘を人に接種すると腫れが生じ、
その腫れの膿を人から人へと接種することで、
同じ効果が得られます。
また安全面で言えば、
牛痘は非常に弱いので命の危険性はありません。

笠原良策は、
まさに命がけで種痘を福井に持ってくることに成功しますが、
命の危険性がないと言われても、
それで天然痘が防げると言われても、
人々は種痘を接種することを避けます。

牛痘と言われても天然痘ですし、
西洋医学の理解が全くない時代ですから。

種痘を福井に持ってくることに成功したとは言え、
種痘が有効に働く時間には限りがあるので、
その時間内に人から人へと接種し続けていかなければ、
種痘が途絶えてしまう危険性があります。

現在は天然痘が撲滅されています。
撲滅までの過程には、
笠原良策のような人物の存在があっただけではなく、
種痘の理解が全くない中で得体の知れない種痘を受け、
種痘を次の人へ繋げてくれた人々の存在も忘れてはなりません。



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地籍図と空中写真(五十畑城) §279

九鬼トシユキです。

栃木県栃木市岩舟町五十畑の「五十畑城」

『栃木市遺跡分布地図』に、
字名が書かれた地籍図が載っていました。
城の場所自体は分からないものの、
その字名で城の様子を探ることができます。

何十年にもわたって名前だけ知っていた城、
ようやくその城を掴むことができ胸が踊ります。

ただその地籍図、
現在の地図に当てはめると、
少なからず道の様子が変わっています。

そんな時、
国土地理院のホームページ上の地図を、
2画面で見ることができるようになったことを知りました。

2画面で見ることができる機能を使うと、
同じ場所を別の地図で比較して見ることができるようになります。
そのハイテク機能を五十畑城で早速試してみました。

使う地図は空中写真。

細道を探す際は、
空中写真を使って見ると便利だったりもします。
空中写真を見られることもハイテクと言えますが、
過去の空中写真も見られるため、
ハイテクすぎて素晴らしいの一言につきます。

順次遡って見てみると、
1974~1978年に撮られた空中写真が、
『栃木市遺跡分布地図』に載っていた地籍図と合致します。
1979年~1983年の空中写真になると、
今とほとんど同じ道になっています。

そしてですね、
一番変わっているのがこの場所、

「地蔵堂」
という字名の道です。

国土地理院の地図自体も見ていて面白いですが、
2画面で比較して見るとより面白いです!



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